ステージに立つ準備(緊張も前提…のお話し)
一昔前ですが。
プレゼンや講義などの重要なステージに立つ際、
信頼感を損なわないためのトレーニングを受けたことがあります。
紙の資料を見ながらお話しし、質疑応答するのが一般的だった時代。
今でも覚えている一つのテクニックがあります。
「紙は1枚でぺらっと持たない」
どうしても紙(原稿や資料)を持ってお話ししなければならない時は、
クリップボードでもクリアケースでもなんでもいいので、
硬いものと一緒に持つこと。
その理由とは。
緊張するのは仕方ない
緊張して、手が震えるから。
紙1枚だと、手の震えが紙に伝わり増幅されて、
緊張があからさまに伝わってしまうから。
服装や表情がきちんとしていても、それでは信頼度半減。
恐怖に負けて「すみません、緊張してまして…」とか言っちゃうと、完全にアウト。
さらに講師の先生がおっしゃったのは、
「緊張するのは仕方ない。要は、それをいかに表に見せないようにするか。」
ということ。
イメトレ繰り返すとか、話す流れをひたすら練習練習練習、とか、
事前対策がしっかりできるものは、それをするのが前提。
それでも、訓練を重ねたプロ講師や俳優さんとは違います。
だから、緊張も前提。
だから、できる限りの緊張対策をする。
それが、ステージに立つ者の責任。
なるほどなぁ…と、当時の若かりしり私は思ったのでした。
そう、緊張するのは仕方ないんだよ。
それ以上に、相手に何を感じてもらいたいのか。
少なくとも、自分の緊張や不甲斐なさ、ではないです。
今でも尊敬しているある社長さん
このトレーニングの後、しばらくして、
地元の産業大学(地元企業の社長さんが、その事業の技術や成り立ちをお話ししてくれる講座みたいなの)を受講しに行ったときのこと。
講座終了後、お片づけに手間取って教室に一人残っていましたら、
講師の先生(=地元企業の社長さん)が声かけてくださいました。
とてもお話し上手で、講座中は常に笑いが絶えず、
どの受講者も、楽しかったねとニコニコ顔で教室を後にしていった…そんな方。
他愛ない雑談でひととおり盛り上がって、最後に一言。
「…僕、上手に出来てました?なんだか緊張しちゃって、心配で(笑)」
きけば、どうやら初舞台だったご様子…。
それを微塵も感じさせず、笑いまでとる社長さん。すごすぎ!
そんな風には全っ然見えませんでした!
すごく分かりやすくて楽しかったです!ありがとうございました!
と、お答えさせていただきました。
「よかったぁ、そう言っていただけて。こちらこそありがとうございます」
伝えたいことを全力で伝えるという、ご自身の役目にコミットする姿。
今でも尊敬しています。
講座の後で、照れながらぶっちゃけてくださる姿も…なんか好き。